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詐欺グループ側とのLINEでの連絡内容について説明する男性=2024年9月4日午後0時47分、さいたま市、浅田朋範撮影

 SNSで架空の投資取引などを持ちかけるSNS型の投資詐欺の被害が増えている。中には、1億円以上を一気に失うケースもある。投資した翌日に「利益」が出たことから、さらに多額の投資を重ねていく――。そんな詐欺の手口について、計3500万円の被害に遭った男性が語った。

 昨年12月24日ごろ、埼玉県和光市の自営業男性(75)は突然、投資に関するLINEのグループに追加された。

 特に投資をするつもりはなかったが、どんな話をしているのかは関心はあり、オブザーバーのつもりで参加してみた。

 「預金を増やすことは非常に有利」「9万ドル以上を稼いだ。こんなに早く利益を積み重ねることができるなんてスゴい」

 そこでは、参加者たちがFX取引によって利益を得たことを報告し合っていた。

 グループでのやりとりを見ていたところ、イギリスの銀行の職員を名乗る「Suzuki」や銀行の相談役をかたる「大石」から個別に連絡が来るようになった。大石からは、経済状況の動向を示したメッセージも届いた。

 「FXの取引のために必要」などとの指示に従ってスマホのアプリをダウンロードし、投資サイトのアカウントも作った。「この人が言うのなら間違いなく儲かるのではないかと考えてしまった」と男性は振り返る。

男性が現金を振り込むと、翌日には「利益」が

 2人に促され、最初に現金を入金したのは12月25日。ネットバンキングで10万円を指定された口座に振り込むと、翌日には「利益」を含む10万3471円が男性の口座に振り込まれた。27日に30万円を振り込むと、今度は翌日に37万157円が振り込まれた。実際にお金が増えて手元に戻ってきたことから、「この時点で相手を信じ込んでしまった」という。

 その後も「1月いっぱいで投…

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